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日本最大の地震実験施設でわかった耐震基準の課題

日本はご存知の通り地震多発国です。大自然の力にはあらがいきれない部分はありますが、だからといって諦めるのではなく、国も民間も地震の脅威に対して日々実験や研究開発を行い、住宅の安心安全を目指して必死になって取り組んでいます。

地震対策を講じるためには実際の地震を再現させる必要があります。実は日本には世界に誇る実験施設E-ディフェンスなるものがあることをご存知でしょうか?

E-ディフェンスとは

E-ディフェンスとは、兵庫県にある独立行政法人「防災科学研究所 兵庫県耐震工学研究センター」にある実大3次元震動破壊実験施設の通称です。

このE-ディフェンスは本物の住宅と同じ大きさ、仕様の試験体に最大で阪神大震災級の衝撃と同じ震度7を入力することができます。
また、水平2方向と垂直方向の振動という実際の地震の揺れをほぼ完全に再現できるという世界一と言っていいほどの性能を持つ地震実験施設です。

長期優良住宅の耐震実験

このE-ディフェンスで2009年に、ある実験が行われたのですが、衝撃的な結果となりました。

木造3階建ての建物を再現した試験体を2体使った比較実験でした。一方は長期優良住宅の耐震基準である耐震等級2を満たしているもの(実質ほぼ等級3)、もう一方は接合金物をあえて十分に使わずに相対的に耐震性を低くした試験体です。この両試験体に同条件で震度6を入力したのですが、事前の予想ではもちろん耐震性の低い試験体が倒壊して、長期優良住宅は倒壊を免れると思われていました。

実験結果は…!?

…実験結果は事前の予想を覆し、わずか20秒たらずで長期優良住宅の方が先に完全倒壊してしまいました‼もう一方の金物が少なくて耐震性の低い試験体ももちろん無事ではなく、見た目は被害が少ない印象でしたが、実質倒壊状態となりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか? この実験実施から9年近く経ちますが、いまだこの実験結果が住宅業界を襲った衝撃は色あせません。法律基準通り、むしろ最高等級レベルで建てた住宅であっても1度の大きな地震によって倒壊してしまうことも有り得るということがわかったからです。

近年震度7級の地震が日本では多発しています。そのような中、これから家を建てようと考えている人は震度7に耐えられるような構造にしなければいけないのでしょうか?

実際問題としてそこまで耐震性を確保しようとすると莫大なコストがかかってしまうので、現実的ではないでしょう。

近年地震対策において産学連携した研究開発が進み、新技術が生まれています。新技術の中でも制震は木造住宅において普及が進み、今では特別な工法ではなく当たり前の選択肢となっています。

大手ハウスメーカーだけでなく、地域密着型の工務店でも自社仕様のメインにしているところも少なくありません。これからは耐震プラス制震も考えてみてはいかがでしょうか。

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