大臣認定を取得する為の性能評価試験の方法は、長時間かけて少しずつ試験体に加力を与える実験で、静的実験といいます(正負交番同一履歴3回繰り返し静的加力試験)。
この試験は静的剛性を測定する事を目的としており、とても合理的な試験ではありますが、実際の地震は静的なものではなく動的な加力なので、本当の意味で耐震を考えるならば振動台試験などの動的加力試験や実大実験も行う必要があります。
たすき掛け筋交い、接着パネル構法、 ツーバイフォーなど一般的に強い耐力壁というイメージがある構造材であっても、 動的な試験結果では剛性や靭性(固体の粘り強さ)といった建物にとって重要な性能が大きく低下することがあり (靭性について:たすき掛け筋交い・接着パネル構法が50%程度低下、ツーバイフォーが40%低下)、 加力速度特性が無視できないという報告があります。
建築基準法をクリアしたことで、その建物がどんな地震にも強いかどうかという事が確かめられたことにはならないのです。 このことは、耐震等級1であっても耐震等級3であっても同じです。
X-WALLはその性能を実証するために、大臣認定試験だけでなく、動的な試験、実験を繰り返し行っており、それによって確かな性能を有しています。
※動的試験とは振動台実験、アクチュエータ強制加振、起振機等の総称です。
想定外の地震を考えた場合、耐震性、いわゆる「固さ」だけで対応しようと考えると、建物が受ける衝撃が大きくなり、壊れる可能性が高くなります。
X-WALLは数ある大臣認定耐力壁の中でも先で説明した通り、より実際の地震に近い想定での実験を、幾度となく繰り返しています。
X-WALLはこの実証実験によって、固く耐える耐震性だけでなく振動と揺れを効果的に吸収する「制震性」,復元力間柱のしなりによって粘り強さを発揮する「復元性」、を同時に備える事を実現しました。
固有振動数 | 1秒当たりの振動階数、固さ(耐震性能)を失うとゆっくりと揺れるようになり、振動数が減ります。 |
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BCJ | 人工地震波 |
JMA KOBE | 阪神淡路大震災を再現した地震波 |
筋交いや合板などの一般的な耐力壁の長所は、建物変形初期に剛性が非常に強いという事です。例えると卵の殻のような構造です。一方、最大の弱点は弾性域が極端に短い、つまり少しの変形しか許容せず、変形=損傷となってしまう事です。
これでは想定外の大地震が繰り返し襲ってきた際に倒壊してしまう可能性があります(卵の殻も一定以上の衝撃が加わると一気に壊れてしまいます)。
このような従来からの耐力壁の最大の弱点を補うことで、構造を安定させることが出来ます。
早く(変形初期から)効いて且つ壊れない耐力壁、万が一耐力壁が損傷しても、建物が倒壊に至らないように長く粘る(非常に長い弾性域のある)耐力壁、そのような構造材を採用することによって、木構造の最適な設計が可能となります。
X-WALLは大臣認定品の中でも選ばれる価値のある耐力壁!!
耐力実験
3.4倍大臣認定書
認定壁倍率 | 3.4倍 |
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認定番号 | FRM-0363 |
性能評価区分 | 建築基準法施行令第46条第4項表1(ハ)項 |
施工例
施工例
柱間寸法(芯~芯) | 910mm |
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柱と中柱の間隔 | FRM-0363 |
横架材間距離 | 2,565mm~2,835mm |
柱、中柱、土台、胴差、桁、梁 | 建築基準法施行令第3章3節木造に基づく105mm×105mm以上 |
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耐力実験
2.8倍大臣認定書
認定壁倍率 | 2.8倍 |
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認定番号 | FRM-0527 |
性能評価区分 | 建築基準法施行令第46条第4項表1(ハ)項 |
施工例
施工例
柱間寸法(芯~芯) | 900mm~1000mm |
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横架材間距離 | 2,500mm~2,880mm |
柱、中柱、土台、胴差、桁、梁 | 建築基準法施行令第3章3節木造に基づく105mm×105mm以上 |
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開発・特許:MASA建築構造設計室
特許 第5244942号
復元力間柱は、株式会社アイ・エム・エーの登録商標です。