地震大国と言われる日本において地震に強い家に住むことは必要不可欠です。
しかし、日本の古い木造建築の約9割が耐震基準を満たしていないというのが現状です。頻繁に家を建て替えたり別の家に引っ越したりするのは難しいので、もし今住んでいる家の耐震性に不安があるならリフォームを考えてみるのも一つの手です。
耐震リフォームが必要性を判断するには、まず新耐震基準が適用される前の1981年5月31日以前に工事を開始した木造住宅か、過去に地震によって損傷を受けたかどうかを調べます。
この条件に当てはまれば、家そのものに以下の特徴があるかどうかを見ます。
1. 1階部分の壁面積が足りていない
2. 大きな吹き抜けがあって床面積が足りていない
3. 外壁や基礎部分に比較的大きなひび割れがある
4. 地盤が悪い場所に立っている
5. 平面の形が複雑
6. 屋根の材質が瓦、または土葺き
7. 土壁を採用している
8. 柱のサイズが12cm×12cm以下
上記の特徴が一つでもあれば耐震リフォームが望ましいと言えます。
耐震リフォームの最初の一歩は耐震診断を受けることです。耐震診断は専門家が現地調査を実施し地震に対する安全性を確認するものです。診断の際は「上部構造評点」という数値を用いて耐震性の評価をします。この数値が1.5以上だと倒壊の心配がないと判断されますが、もし0.7以下だった場合は倒壊の可能性が高いとみなされ、耐震リフォームをしなければならないということになります。この診断の結果が記された報告書を踏まえて耐震リフォームをするかどうか、もしもするとしたらどのようなリフォームをすべきなのかを決めていきます。
壁を補強することは建物の強度を高める方法の一つです。壁の少ない部分に壁を追加したり普通の壁を耐力壁に変えたりすることで耐震性が高くなります。
家の基礎がしっかりしていなければ地震で倒壊する恐れがあるため、しっかりと補強する必要があります。ひび割れを補修したり、鉄筋の入っていない基礎に鉄筋コンクリート造の基礎を足したり、場合によっては基礎を新しく設置したりと様々な施工手順があります。
屋根が重いと地震の際に揺れやすくなります。特に瓦の屋根の場合、地震が起きた時に落下する恐れがあります。屋根をガルバリウムや防災瓦などの軽いものにすることで地震の揺れを軽減し、耐震性を高めることができます。
木造住宅は壁・柱・梁が一体となることで地震が来ても耐えるようになっていますが、それぞれの接合部がしっかり固定されていないと地震が来たときに外れてしまい、家が倒壊する恐れがあります。接合部分がどのようになっているかを確認した後に必要な部分を固定して地震に対する強度を上げます。
建物全体の耐震性を高める工事だと150万前後が相場だと言われていますが、劣化が進んでいる場合は200万以上かかるケースもあります。壁を解体して補強をしたいという場合は最低でも50万はかかります。築年数が浅く解体の必要がない工事なら50万以下でも可能です。ただし、あくまでも相場ですので業者と相談することをおすすめします。 また、自治体から工事の補助金が出ることもあるので一度問い合わせてみても良いでしょう。
全てリフォームしようとすると時間もお金も大変なので、まずは最低限必要だと思うところから着手すると良いでしょう。また、地震の揺れを軽減する制震ダンパーを取り入れることで、耐震だけでなく制震の面でも安心感を得られるので、一度検討することをおすすめします。